その90 内回りは本当に速いのか - ロボボボいじりにうってつけの日

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その90 内回りは本当に速いのか

ロボトレースにおけるショートカットの一つに、コーナーの内回りがあります。
内側を走れば走行距離が短くなることは明らかですが、ふと「本当にタイムは縮まるのか??」と疑問に思いました。
というのは、内側を走るということはより小さい半径の円弧を走るということで、滑らないようにスピードを落とさなくてはならないからです。
そこで内回りによる走行タイムの変化について、簡単なモデルを使って考えてみました。

説明①
説明②


どこかまちがえてるかも。

コーナーで減速する必要のない時は内回りする方が速いのは明らかなので考えません。

さて、最終的な式を見ると、そう簡単には何がどうなるのかわかりません。
そこでExcelを使っていくつかの具体的な数値について検証してみました。

まず、直線加速度aLは前後へのグリップ力、あるいはモーターのパワーによって決まります。
向心加速度aθは横滑りに対するグリップ力によって決まります。
OmnimOのような全方向移動マシンにおいては特にそうですが、どちらの加速度もグリップの上限で決まった場合aθとaLはだいたい同じ値になるのではないかと思います。

そこで中堅層のトレーサーはだいたいこのくらいかなぁ??ということを想像して、VL=3m/s,aL=8m/ss,aθ=8m/ss,θ=135°というのを基本にします。
また、5cm内回りする場合を考えます。
この値からいろいろ変えてみて、どう変わるのかを見ていきます。

①コーナーの中心角θを動かした場合

3-8-8.png

このグラフはそれぞれコーナーの中心角θを90°,135°,180°としたものです。
横軸は元のコーナーの半径で、単位は[cm]です。つまり、マシンは実際には横軸の値より5cm小さい半径のコーナーを走っています。
縦軸は元のコーナーを走った場合のタイムから内回りをした場合とのタイムを引いたもので、単位は[秒]です。
つまり、この値が大きいほど内回りでの時間短縮が大きいことになります。逆にこの値がマイナスになれば、内回りによってむしろ時間がかかっていることになります。

まずθが小さいほど時間短縮が小さいことがわかります。
これは、θが小さいとコーナーで得られるメリットが小さくなるからだと考えられます。


②直線の加速度aLを動かした場合
直線加速度変化

グラフ中の破線は、タイム差のうち、前後の直線部分によるものを表しています。
同じ色のもの同士が対応しています。
前後の直線部分だけをみると、コーナーが急なほど加減速する量が大きいのでタイムはおそくなっています。

この場合、コーナー区間のタイムに変化はないため直線部分でのタイム差のみが影響します。
aLが大きいほど内回りでの時間短縮が大きくなっています。
aLが大きいほうが直線区間でのロスが少なく、コーナーで得られるメリットの方が大きくなるということでしょうか。


③向心加速度aθを動かした場合

向心加速度変化

aθが大きくなると時間短縮が小さくなりました。
この場合、コーナー区間での速度が変化するのに伴って、直線区間での減速によるタイムロスも変化してきます。たしかに、グラフ中の破線に注目すると変化はありますが、全体で見るとあまり変わりありません。
コーナー区間でのタイム差が支配的なようです。
Tθの1階微分が常に負、2階微分が常に正であることから、aθが大きいほどコーナーでのメリットは小さくなるようということでしょうか。

④両加速度を動かした場合。ただし、aL=aθ

両加速度変化

②ではaθが大きくなるほど時間短縮は大きくなり、③ではaLが大きくなるほど時間短縮は小さくなりました。じゃあこれをどちらも大きくするとどうなるのかというと、ほとんど同じ感じになりました。


⑤直線区間での最高速VLを動かした場合

最高速変化

この場合、最高速VLが大きくなるほど加減速する量が大きくなるので、最高速が速くなるほど時間短縮が小さくなることがわかります。



さて、では①②③を総合して、内回りに向いてない場合を考えてみましょう。
例えば、「タイヤのグリップ力は余りあるけれど、モーターのパワーが足りない」という状態。これは十分起こり得る状況ではないでしょうか。
直線での加速度を8m/ss、コーナーでの向心加速度を12m/ssとしましょう。
最高速が3m/ssのとき、内回りによる時間短縮は次のようになります。

最悪のパターン

出ました、マイナス。
この条件において、半径20cmより小さい、90°のコーナーを5cm内回りした場合、タイムはむしろ遅くなります。

実際にはコーナー手前ではもう少し余裕を持って減速するでしょうから、全ての例においてもう少し遅くなるかもしれません。
いずれにせよ理想化されたモデルなので、いろいろ違うかもしれませんね。


さてさて、こうして考えてみると内回りといっても得られる効果はマシンの性能によって異なることがわかります。
たしかにほとんどの場合において内回りによって時間を短縮できることが確認できましたが、場合によってはタイムがむしろ遅くなるというのは要注意でしょう。
自分のマシンの性能を考えて、内回りをして得られる0.02,3秒のメリットと内回りをする難易度を比べてみるべきかもしれませんね。
S字カーブやうねうねカーブではまた事情が異なると思いますが、内回り、なかなか奥が深そうです。


以上、その90 内回りは本当に速いのか
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たけもり

Author:たけもり
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「しゃれたロボットをつくりたい」と思いながらも大学生になってやっとのんびり勉強始めました.
勉強のためにロボトレースというロボコンに参加して,全方向移動型ロボトレーサー"OmnimO-2"を制作しました.
大学ではヘビ型ロボットについて研究しています.
個人的課外活動としてエンタメ志向のロボットを製作中.最新作のMimebotはこちら

ロボコン時代のロボットはこちらにまとめています.

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